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公図に載ってない不動産の売却は可能?登記済物件の手続きや注意点も紹介

不動産売却に関する情報

代表 原山  昌之

筆者 代表 原山  昌之

不動産キャリア25年

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不動産の登記情報はあるものの、公図にはその物件が載っていない――このようなケースに直面し、どう売却を進めればよいか悩んでいませんか。不動産の売却手続きは通常、公図をもとに進められるため、公図に無い物件の場合、売却の流れや必要な準備が分からず戸惑う方も多いです。この記事では、公図に載っていない理由や背景、売却に際し注意すべき点、そして実際の準備方法までやさしく解説します。ご自身の不動産の売却成功への第一歩として、最後までぜひご一読ください。

登記はあるのに公図に載っていない物件とは

登記簿には所有者や地番、地積などの正確な情報が記録されていますが、公図(法務局に備えられている「地図・地図に準ずる図面」)には、これらの土地が反映されていないことがあります。公図は明治時代に簡易的な測量により作成されたため、現状と異なることが少なくありません。

具体的には、登記上は存在していても、法務局の公図には地形や筆が省略されていたり、他の筆と一体表示されていたりするケースがあります。とくに、昭和34年(1959年)以前に分筆された土地では地積測量図が添付されず、公図に正確な区画や形状が反映されていないことがあります。現況とのズレが大きいと、売却時に境界が不明確になるなどの問題が起こります。

たとえば、公図上では複数の土地が混在した状態で描かれており、売却対象地の形状や境界が判別できない状況があります。このような場合、買主にとっては境界の不安が大きく、資金調達(住宅ローンなど)や契約に支障が生じるおそれがあります。

以下に、公図に載っていない物件が抱える問題を整理しました。

問題点内容
境界不明公図で土地の区画が曖昧で、売買契約時に現地と齟齬が発生する可能性があります。
売却困難買主のローン審査時に不安要素となり、購入希望者が見つかりにくくなります。
測量資料の欠落昭和34年以前の地積測量図がないケースでは、形状の確認が難しく、専門家対応を必要とします。

このような問題に直面する可能性のある方には、測量図や現地調査の整備が不可欠です。当社では、こうしたケースにも丁寧に対応し、安心して売却できる環境づくりをお手伝いしております。

※ 本記事は、信頼性のある情報に基づいて作成しており、実務での対応にも役立てていただける内容を心がけております。

なぜ公図に載っていないのか?背景と原因を理解する

登記簿には記載されているにもかかわらず、公図にその土地が反映されていない背景には、いくつかの理由があります。

まず、地籍調査が未実施の地域では、公図(地図に準ずる図面)しか備え付けられておらず、精度の高い法第14条地図が存在しないためです。地籍調査は土地の面積や境界を正確に測る制度ですが、2021年末時点で未実施地域は全国の約半分に及んでいます。これにより、公図に対象地が反映されていない場合があります。

次に、公図以外の資料である地積測量図や地積図とは、内容と作成背景において違いがあります。地積測量図は土地家屋調査士が実際に測量を行って作成し、登記手続きに提出される正式な図面です。これに対して、公図は明治時代の租税徴収のために作られたものを基にしており、現況とのずれが生じやすく、面積や位置関係に不正確さが残ります。

さらに、地図と現況とのずれの原因としては、古い測量技術に基づいていたことや、公図が制度上概略的な情報のみに留めている点があります。縮尺が一定でないことや明確な境界線が描かれていないことも、現況との相違を生み出す要因です。したがって、登記記録には記載があっても、公図には反映されていないという現象が起こります。

下表に、主な原因と特徴をまとめます。

原因 説明 影響
地籍調査未実施 精度の高い14条地図が整備されていない 対象地が公図に反映されない
公図の成立背景 明治期の簡易測量・租税目的による作図 現況との位置や形状にずれが生じる
測量図との乖離 地積測量図は専門家による正確測量に基づく 登記と現況の整合性に差が出ることがある

公図に載っていない不動産を売却する際に必要な準備とは

登記簿には記載されているのに、古い公図に反映されていない物件を売却するには、まず境界や面積を正確に把握する準備が不可欠です。以下の表は、主要な準備項目を整理したものです。

準備項目目的特徴・留意点
地積測量図・確定測量図の取得土地の形状・境界を正確に把握法務局で取得できる地積測量図や、隣地所有者立ち会いによる確定測量により精度を高めます(専門家への依頼・費用も必要)
筆界特定制度の活用法務局による境界の公的特定隣地所有者と合意が得られない場合に有効。最短で数か月で解決可能な制度です
行政・専門家への相談体制の確立売却前の安心と手続きの円滑化土地家屋調査士や法務局との事前打診により、登記内容との整合性や必要手続きを漏れなく確認できます

まず、地積測量図や確定測量図は、土地家屋調査士が現地測量や境界立ち合いを行って作成します。公図よりもはるかに精度が高く、不動産の実態を示す信頼ある資料です。また、確定測量図によって境界が明確になると、後の売却におけるトラブルを未然に防ぐ効果も期待できます。

次に、隣地所有者との合意が得られにくい場合には、「筆界特定制度」を活用することも選択肢です。法務局が登記官を通じて境界を特定してくれる制度で、従来の裁判手続きと比べて比較的短期間(平均6~8か月程度)で結果が得られる点が特徴です。

さらに、登記内容との整合性を確保するためにも、早めに土地家屋調査士や法務局へ相談しておくことが大切です。測量図の取得や筆界特定の申請に必要な書類・費用を把握し、売却準備を着実に進めることで、買主に対して安心できる物件であることを示すことができます。

売却を成功させるために押さえるべきポイント

登記が済んでいることは、不動産売却において大きな強みとなります。登記簿により土地の所在・面積などが公的に確認できるため、信頼性が高く、買主にも安心感を提供できます。ただし、公図(法務局に備え付けられた地図)に載っていない場合、公図と現況が一致せず、境界の不明瞭さから不安を抱かれるおそれがあります。そのため、正確な資料(地積測量図など)や境界標の確認・整備を通じて、買主に安心してもらう対策が重要です。公図には明治時代の簡易測量をもとにした「地図に準ずる図面」が多く、現況とのずれが1m以上10m未満の例が半数近くにのぼるという調査結果もあります

売買契約の形態は大きく分けて「公簿売買」と「実測売買」があります。
公簿売買とは、登記簿に記載された面積(公簿面積)を取引の基準とする方法です。測量を行わず、手続きが簡便で費用も抑えられますが、実際の面積とずれていた場合にトラブルになる可能性がある点に注意が必要です。一方、実測売買では事前に測量を行い、実際の土地の形状・面積に基づいて取引を進めますので、安心感が高まり、境界のトラブルも回避しやすくなります

さらに、買主に安心してもらうためには、情報開示と手続きの透明性を確保することが大切です。登記簿と現況の差異があればその背景をきちんと説明し、境界確定のために測量図や境界標の確認などの資料を提示することで信頼性を高められます。また、境界不明の状態での契約形態として、「現況有姿」や「契約不適合責任免責」の特約を導入する方法もありますが、これは買主の選好や価格に影響するため、慎重な判断が求められます。

以下は、このような売却において押さえておくべきポイントをまとめた表です。

ポイント 内容
登記済の強み 登記簿により所有権・面積が公的に確認可能で、信頼性が高まる点
契約形態の選択 公簿売買(手軽だが面積差異リスクあり)か、実測売買(測量によりトラブル回避)か選ぶ
情報開示と透明性 現況と登記の差異や境界状況をしっかり説明し、資料開示で安心感を提供

まとめ

登記はあるのに公図に載っていない不動産の売却は、一般的な取引に比べて慎重な準備が求められます。原因としては、地籍調査の未実施や測量精度の問題が多く、現状と公図が異なることによるトラブルが想定されます。このような状況でも、地積測量図や筆界特定制度を活用し、境界や面積を明確にしたうえで売却に備えることが大切です。購入者に安心してもらうため情報を丁寧に整理し、誠実な対応を心がけることが、円滑な取引への第一歩となります。

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